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2024/04/17 07:45 |
②たまるとの出会い

「たまる」との出会いを思い出してみる。

我が家には子供がいない。
私に原因があり、子供をあきらめることになった。
それは私にとって絶望的なことだった。
友人とは自分から交流を絶ち、仕事も辞め、ノイローゼ状態に陥っていた。

「犬を飼おう」そう思った。
ペットがいればこの悲しみが癒えるかもしれない、と
主人も協力してくれ、小型犬飼育可の物件に引っ越した。

豆柴が好きで、遠方のブリーダーさんから譲り受けることにし、
生まれるのを待っていた。

ある夜、自宅前の道路から子猫の鳴き声が聞こえた。
ベランダに出て周りを見渡すが、猫がいる様子はない。
夜中もずっと鳴き声は続いていた。

朝になって夫と鳴き声のするあたりを見に行くと、
下水管が集まっている側溝の石の下で鳴いているではないか。
やじ馬のおばさんたちに見られながら、夫が重い石を持ち上げ、
排水管から汚水でドロドロになった生き物を引っ張り出した。
あまりにも小さくて真っ黒だったので、ねずみかと思い、ぎょっとしたのを覚えている。
とりあえず水で洗い、牛乳を与えてみるが飲まない。
夏だが1日中汚水に浸かっていたため、体が冷え切っていたのだろう。

人に捨てられたか、親とはぐれたか、一人でうろうろしているうちに
溝に落ちてしまったようだ。
体を拭いて、段ボールに入れて道路に置いてみた。
でもすぐに心配になり家に連れて帰った。

とりあえず動物病院へ連れて行き、インターフェロンの注射を何本も打った。
獣医師から「猫は貰い手を見つけるのは難しいよ。あなたが飼ったら」と言われ驚いた。
動物愛護センターに連れて行けば新しい飼い主が見つかるのかと思っていたのだ。
なんて無知だったのだろう。殺処分されたかもしれないのに。

犬のブリーダーさんにお断りのメールを出し、
生まれて初めての猫との生活が始まった。

「たまる」との出会い。
私の人生を大きく変えていった。


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2015/02/07 21:01 | Comments(0) | ●ネコ_「たまる」

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